金利のある時代の預金の選び方|1,000万円の壁と税引後で考える

この記事の結論
預金で守られるのは、金融機関ごとに元本1,000万円と利息まで。ただし利息のつかない決済用預金は全額です。政策金利が1.25%程度になった今、定期預金は「金利」だけでなく「保護の範囲」「税引後」「いつ使うお金か」で選びましょう。FPが整理しました。
預金は「いくらまで守られるか」を知ったうえで、金利を比べましょう。
「最近、定期預金の金利が上がっているらしい。どこに預けるのがいいの?」。金利のある時代に入り、そう考える方が増えています。
結論から言うと、預金で守られるのは1つの金融機関につき、元本1,000万円と破綻日までの利息までです(預金保険機構)。ただし、利息がつかない「決済用預金」は全額が守られます。金利の高さだけで選ぶ前に、「保護の範囲」「税引後の利息」「いつ使うお金か」の3つを確かめましょう。
今は「金利のある時代」?日銀の政策金利は1.25%程度
日本銀行は2026年9月18日の会合で、政策金利にあたる無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導水準を1.25%程度に引き上げ、10月30日の会合でも同じ水準を維持しました(日本銀行の公表文)。
| 日付 | 決定内容 |
|---|---|
| 2026年9月18日 | 無担保コールレートを1.25%程度で推移するよう促す(変更) |
| 2026年10月30日 | 同じく1.25%程度で推移するよう促す(維持) |
政策金利が上がると、銀行の預金金利も上がりやすくなります。ただし、預金金利は銀行ごと・期間ごとに違い、キャンペーン金利は条件や期間が限られます。最新の金利は、申し込む前に各金融機関の公式サイトで確認してください。
ポイント
金利が上がる局面は、「預け先を見直す好機」であると同時に、「預け方を間違えると大きく損をしかねない局面」でもあります。
預金保険で守られるのは?決済用預金と一般預金等の違い
預金保険で守られる額は、預金の種類で2つに分かれます(預金保険機構「保護される預金等の範囲」)。
| 種類 | 例 | 保護される範囲 |
|---|---|---|
| 決済用預金 | 当座預金、無利息型普通預金 | 全額 |
| 一般預金等 | 有利息型普通預金、定期預金、貯蓄預金など | 合算して元本1,000万円までと、破綻日までの利息等 |
| 対象外 | 外貨預金、譲渡性預金など | 保護されない(破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われ、一部カットされることがある) |
決済用預金になるには、「無利息」「いつでも引き出せる」「決済サービスを提供できる」の3つの条件がそろう必要があります。つまり、利息がつく普通預金は、決済用預金ではありません。
「1,000万円の壁」で間違えやすい3つのこと
- 1
同じ銀行の口座は合算される
普通預金と定期預金など、同じ銀行にある一般預金等は、預金者1人あたりで合わせて1,000万円までです
- 2
金融機関ごとに数える
同じ金融持株会社の子会社どうしでも、金融機関ごとに1,000万円まで保護されます
- 3
外貨預金は対象外
利回りが高く見えても、預金保険では守られません
知らないと損するポイント
1,000万円を超えた部分は、すぐにゼロになるわけではありません。破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われます。ただし、一部カットされる可能性があります。
預金の選び方は「使う時期」で3つに分ける
結論は、お金を「すぐ使う」「数年内に使う」「当面使わない」の3つに分けて、預け先を変えることです。
| 用途 | 置き方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 生活費1〜3か月分 | 普通預金(決済用も検討) | すぐ引き出せることが最優先 |
| 生活防衛資金(半年〜1年分) | 普通預金+定期預金 | 定期は中途解約で金利が下がる点に注意 |
| 数年内に使うお金 | 満期を合わせた定期預金 | 1,000万円の壁を超えないよう分ける |
| 10年以上使わないお金 | 預金だけに偏らない | NISA・iDeCo・投資信託なども検討 |
利息は「税引後」で考える:預金の利息には約20%の税金
預金の利息には、所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%、合計で約20.315%が源泉徴収され、この課税で納税が完結します(国税庁 No.1310)。
税引前
10万円
1,000万円×1.0%
税引後
約7.97万円
20.315%が引かれた後の受取額
※仮定の金利による計算例です。実際の金利は金融機関・期間で異なります。
比較するときは、「金利の高さ」だけでなく、「期間」「中途解約の条件」「税引後にいくら残るか」まで見ましょう。
FPの相談現場から
ご相談では「金利が高いので、1つの銀行に全部預けました」という方が少なくありません。1,000万円を超えていないか、生活費の口座と分けているかを、まず一緒に確認します。大切なのは、1つの銀行に集めすぎないことと、使う時期に合った置き方です。
預金の見直しチェックリスト
金利の高さだけで選んでいる
保護範囲・期間・中途解約・税引後の受取額も比べる
同じ銀行に1,000万円超を置いている
銀行を分けるか、決済用預金を使う
利息のつく普通預金を全額保護と思っている
全額保護は利息のつかない決済用預金だけ
外貨預金を預金と同じに考えている
預金保険の対象外。別枠のリスクとして考える
すぐ使うお金を定期にしている
中途解約で金利が下がるため、使う時期に合わせる
まとめ
- 預金保険で守られるのは、金融機関ごとに元本1,000万円と利息まで。利息のつかない決済用預金は全額
- 政策金利は1.25%程度(2026年10月30日時点)。金利のある時代は、預け先の見直しどき
- 預金の利息には約20.315%の税金がかかる。比べるときは税引後で
- 「すぐ使う」「数年内」「当面使わない」でお金を分けて、預け先を決める
金利が上がる理由は金利が上がると株価が下がるのはなぜ?、仕組みで貯める方法は先取り貯金の仕組みづくりで解説しています。
よくある質問
預金保険で守られるのは、いくらまでですか?
利息のつかない決済用預金は全額です。定期預金や利息のつく普通預金などの一般預金等は、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等です。
同じ銀行の普通預金と定期預金は別々に1,000万円ですか?
別々ではありません。同じ金融機関にある一般預金等は合算され、合計で元本1,000万円までです。
外貨預金は預金保険の対象ですか?
対象外です。外貨預金や譲渡性預金は保護されません。
預金の利息にはいくら税金がかかりますか?
所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%が源泉徴収されます。この課税で納税が完結するため、確定申告はできません。
